1947-11-06 第1回国会 参議院 司法委員会 第39号
その次は均分相續ということについて、どのくらい憲法の精神に適うものをお考えになつておるかどうか。均分の相續ということは、これは餘程個人の尊重という意味、法の下において平等という思想からいたしまして、相當に重點を置かなければならんと思います。そういうことについてどのくらい重點を置いておるか。その點をお尋ねします。
その次は均分相續ということについて、どのくらい憲法の精神に適うものをお考えになつておるかどうか。均分の相續ということは、これは餘程個人の尊重という意味、法の下において平等という思想からいたしまして、相當に重點を置かなければならんと思います。そういうことについてどのくらい重點を置いておるか。その點をお尋ねします。
それから均分相續の點でありますが、從來のように家督相續でありますと、戸主權の相續竝びに前戸主の全財産を戸主權を相續するものに歸屬せしめて、一方それが家族を扶養する義務もあるというようないろいろな意味からそういうことが行われておつたのでありますが、戸主權というもの、即ち家というものがなくなり、戸主權の相續というものがなくなりますと、ただ殘るのは財産の相續ということだけになります。
この改正案ではいわゆる均分相續をとつておりまして、相續と同時に財産が分割せられるのでありますが、ものによつては、ただちに分割ができないから共有にある。そうして共有でありますれば、共有の規定に基いてこれを分割することができるというので、その規定を得てこの條文ができたものと考えますが、わが日本の實際上の生活状態から見まして、財産によつては絶對に分割できない性質のものが第一番にあります。
たとえばわが國古來の傳統と幾多の輝かしい歴史を有している家の制度の立法上の廢止もその一例であり、また原則としての均分相續制はかなりとするも、いろいろ特殊なる場合につき相當考慮の餘地を存するものと考えるものであります。
これは私の問題、この規定は自分でもらつたものをそのめんどうを見てくれる人にやるのでありますから、何も均分相續の弊害はここに起らぬ次第であります。この點においては司法當局においても、ほとんどこれは疑問といいますか、問題をあまり起させないで、十分に納得せられる筋合の法文であると思います。
それだけの大きな負擔をしておる者と、負擔をしない者と、財産を五分々々にわけろ、それが均分相續である、さような均分があつてたまるものですか。均分というのは、そういうことを拔きにして、財産をわけるということではありませんよ。これだけの義務を背負つておる者には、これだけのものをやらなければならぬ、この者にはこれだけでいい。平等というのはそういうものだと思う。
となるかわかりませんが、そういうふうな相續のやり方をやつて、將來うまくいくだろうかというただいまの御話でありますが、今までは大體家督相續でいつたのでありまして、遺産相続はきわめて少かつたのでありまするから、全部のものがどういうふうになるかは、將來の問題になろうかと思いますが、相續を全然やめてしまつて、被相續人の遺言で自由にするという考え方も一つありますが、大體西洋等の例を見ましても、そうでない國は均分相續
そういう場合に、一人占めにせしむる制度、これはそれが戸主になり、全家族に對する扶養義務があるという裏付けがあればこそ、一人占めにするということも、ある程度納得できるのでありますが、家族に對する扶養義務もなく、戸主という地位もないというものが、ただ長男であつたというため、長幼の差及び男女の差ということによつて、そういう差別待遇をして、一人だけによけいやるということは、適當ではないとなると、やはり庶子均分相續
嫁にいつておるものがもどつてきて、その財産の一部分を均分相續だから寄越せということになつたら、たいへんなことになります。あなたの言われるように、暗默のうちに放棄するであろうことは、われわれもそうでなければならぬと思います。そうしてみるならば、それを豫想して考えたからといつて、平等の原則に反することではありません。それから嫁にいつたものがもらつてまた財産を計算することはあるだろう。
それからまだいろいろありますが、まず相續の點についてでありますが、まず承りたいのは、被相續人の財産を均分相續にしなければならぬという理論上の根據は、どこから出てくるのでありますか。この點を承りたいと思います。
三年と言えば、まあこれは人の主観でありまするからいろいろありましようが、やはりこの民法の均分相續の原則を破つての、特に農業の安定を期するという趣旨からするところの、與えられた特別相續分の利益でありまするので、やはりあまり短い期間にいたしますることは、この法律の趣旨に副わない。
○政府委員(山添利作君) ちよつと水掛論的なことを言いますよりも、他の例を取つて見ればいいと思いますが、民法におきましても個人の遺言の自由、その遺言の自由の結果に基くのでありましようけれども、遺留分を侵さない限りは、或る人に特別の利益を與えるという均分相續の例を破つておるわけであります。
而も新しい憲法が施行されまして、民法の應急措置が行われておりまして、只今既に均分相續になつておりますので、かような規定をいたしたのであります。
新憲法の均分相續という原則を破つていることになる。結局そういうことになると思うのでありまして、改めてその點について御意見を承わりたいのであります。
肥料だとか飼料、こういうものは均分相續になりましても、農業をやらぬ者には全然用がないのであります。それを何ゆえ農業資産の中から除外してあるのか、この點をお尋ねいたします。
ところが一般の兄弟という場合には均分相續になるということは、現在の遺産相續の規定でさようになつておりますので、それがそのまま第七條によりまして適用になるのであります。從つて子供だけの場合の例をあげ、そしてまた配偶者がないという場合を例にいたしますと、財産は民法の規定によりまして均分になりまして、普通であれば五割と五割が相續分になるのであります。ところがこの特例法によりますとまず半分しかもらえない。
そこで政府といたしましては、一應こういうように民法が新しく改正され、均分相續というものが認められようとしておる今日、特定の農業專業者にその農業資産の一部を相續さすという特別法規をつくろうとするのでありますから、これについては、一體農村なり農民がこの法律に對してどういう意見をもつておるかということで、農村側のいろいろな世論を十分調査し、またこの法案の内容を示して、こういう條文の法律をつくろうと思うがどうかということを
元来民法が均分相續の結果相当今までよりも複雑になつて、その上にこれが特別の扱いをするのでありますから、そういう意味におきましては複雑になつたのでありますが、ただ本法案が、私が先程簡單になると申しましたのは、一體その物の所有者が誰かということの分らない状態を成るべく避けるのには一人でやる方がいい。そういう意味で申上げたのであります。
○松井道夫君 前囘の委員會のときに私から均分相續を破るような立法はどういうものかという趣旨の質問をしたのでありますが、それに關聯して均分相續の原則と農業經営ということと両立するような制度方法の資料をいただきたいということを申上げて置いたのであります。それで頂戴いたしておらなかつたのですが、その後頂戴しました「家畜に關する立法例」という冊子を拝見いたしました。
一つは均分相續ということになつておるのを分割しないで共同でやつて行くということになりますと、どうしてもそこに共有關係が續くわけであります。そうしますとそのことに特別の何か意味が出て来るように考えられるのであります。
もとより農業を受け繼ぐ人だけの立場から申しますれば、重富委員御指摘のような事態よりも、さらに進んで農業資産の全部を特別相續分として受けるということが望ましいとは思いますけれども、それではまた新らしい憲法によりまして均分相續の制度をとつておるという原則に對して、あまりにも考慮を拂わぬということになるわけでありまして、從つて特別相続分として餘計に受けます限度を、民法にいうところの遺留分の範圍を害さない程度
そのために民法の相續に關する均分相續に對して例外を設けるということであります。 第二條は農業資産の範圍を掲げております。まずどの程度のものをもつて農家とみなすか。この法律の對象にする農家とするかということにつきましては、一段歩以上の農地について耕作の業務を營む者ということにいたしております。
本來均分相續の原則がございます以上は、かような特別相續法等によつて保護されるところの資産の範圍は、おのずから必要の限度に止めることが要求される次第でございます。從つて山林のうちでも農業經營に必要なる自家用薪炭林の範圍に限定をいたしました。その他の山林は普通の財産として考えられておるわけであります。
しかしてこの農業資産相續特別法に關する制度は、ただいま御指摘になりましたように、もとより長子相續はでございませんけれども、多くの實際上の家族生活、また現在における農業の承繼の事實に合致をいたしておるのでありまして、大部分の場合におきましては、特別の支障なく行われるだろうと期待をいたしておりますが、しかしもとより均分相續、家督相續の廃止という變化がありました以上、その事柄にすでに問題がありますから、兄弟
御承知の通り均分相續ということは、午前にも言いましたが、新憲法の第二十四條第二項に財産權、相續、家族に關するその他の事項に關しては、法律は個人の尊厳と兩性の本質的平等に立脚して、制定されなければならないという規定がありまして、この規定の關係上均分相續ということに相成つたのであります。
併し參考資料として差上げました、農村のこの事柄に関する輿論調査というものがお配りしてあると存じますが、それによりますと、農村方面では、固より均分相續ということは全然新しいことでありまするから、新しい、慣れないものに對する反撥ということもありましようが、兎も角農業資産が均分的に相續されるということにつきましては一〇〇%に近い反對を惹起して、不分割に相續することをよしとすることが壓倒的でございます。
ただ折角均分の相續になつたのを、特別相續分といつたものを作つて、その例外とするというところに非常に複雑なる點がありますので、その特別相續分というものを認めずに、原則によつて、均分相續にしおけば非常に簡單ではないか。
○奧野政府委員 第一點でありますが、均分相續制度をとる以上は、原則として相續財産は相續人に分割するというのがお説のように當然であります。そうして被相續人が分割禁止の遺書をすることを認めておりますが、それも五年という制限期間だけは分割禁止することを認めておつて、永久に分割禁止するということは、被相續人の遺言をもつてもこれをなし得ないものといたしたのであります。
この詳細は、それぞれ専門の方々の御研究に譲るといたしまして、たとえば均分相續に適しない農業用資産とか、土地、家屋などの不動産、それに中小工業者の零細な營業用資産などを家産として登録して分散を防ぎ家庭を永續性をはかることが、一面新憲法と矛盾するかのように見えますけれども、少くとも現在の段階においては必要ではないかと考えるものでございます。
それに對してさきに政府で發表されました案によりますと、農家の均分相續に對しては、一子にその農家の財産を一括して相續さして、その他の相續人に對しては借用書を出して、將來の農業經營によつて得た利益でそれを辯濟させる、そういう政府の案でありますが、これは農村の實情に副わないものであると思います。なぜでありましよう。
○佐藤公述人 農地の細分を防止するという政府案は見たのでありますが、それによりますと、ひとまず農地の相續を一人の人に全部相續させて、それを他の相續人に、たとえば一町歩の田があるとする、そこに五人の兄弟があるその場合に、均分相續からいえば大體二段ずつにわかれるわけでありますが、一町歩全部を農業經營に當る人にひとまず全部相續させて、他の相續人に對しては二段分に相當する金額を借用書として出すというのが政府案
ただいまのお話の中に、均分相續は相當無理がある、必ずこれが公平だとも言えないというお言葉もあつたのでありますが、それから考えてみますと、家ということは別といたしまして、その祖先の祭りをするのには相當の費用が要るのだということであります。
○岡井委員 憲法第十四條の平等というようなところから、直ちに民法の均分相續というようなことは出てこないように思うのでございますが、いかがでございましようか。
先ほど穂積先生の御意見の中に、均分相續の缺點は、債權者保護に缺けるところがある。こういうことを仰せられたのでありますが、その理由として相續人はすべて分割債務を負担する。從つてたとえば債權者が一万円の債權を有しておつたとすると、被相續人が死んだ場合は、子供が五人おれば二千円ずつ分割して債務を負担する結果になるために、債權者は全部を相手にしなければ、債權者が満足を得ることができない。
○奧野政府委員 憲法の要請に基いて、庶子均分相續をとることにいたしたのでありますが、それでは日本のさなきだに零細な農地が、さらに再分割され、さらにまた相續があると、それをまたさらに再分割するということになつては、結局農業の經營ができなくなつて、日本の農業というものが破滅することを防ぐために、農地についてただいま御指摘のように、農業資産の相続に關する特例を設けて、言いかえれば農業資産は一人に相續せしめて
お説のように、遺留分があるとしても、遺留分の計算、手續等がめんどうであるとか、あるいはまた遺留分というものに氣がつかないで、それらの點に對する考慮を拂われないでもらわれないというようなこともあるのではないかという點、ごもつともであると思いますが、今後はいわゆる家督相續によつて長男子一人が全財産を承繼するということがなくなつて、庶子均分相續ということになつてまいりますので、この點については、今後は遺言
○奧野政府委員 御説のように家督相續がなくなり、遺産相續になりまして、遺産相續の關係におきましては、大體において均分相續の制度をとつておるのでありますが、系譜、祭具、墳墓の所有權というのは、これはやはり祖先の祭祀を主宰していく者が、それを承繼していくというのが最も適當であり、この關係はわが國の古來からの風習でもありまして、憲法の精神からいきましても、これを規定しなければならない風習と考えますので、その
憲法改正の結果、家族制度が憲法の趣旨に反するということにもなりまするし、いわゆる家督相續ということがなくなりました結果、もちろん均分相續ということは當然の結論のようにも考えまするが、いわゆる系譜、祭具及び墳墓の相續權については、なお今の改正案より考慮する必要があるのじやないかということを考えますが、その點に關する御所見を承ります。
これに伴い、改正案においては均分相續制度を採用し、大體は従來の遺産相續制度によりますが、兄弟姉妹をも相續人に加え、配偶者は常に相續人となるものとし、配偶者の相續分については、一定の割合を確保するため、特別の措置を講じ、これに關連して遺留分の定め方についても變若干の更を加えました。その數字の詳細は法案の當該條文に譲り、ここではこれを省略いたします。